初心者向け水泳で体を作る

水泳と水分補給

人間の体というのは巧妙に調節されていて、特殊な病気でもない限り不必要な水分を欲しがったりはしません。のどが渇いたと思うのは体が水分や電解質の補給を必要としているからです。また場合によっては、運動をしている本人の要求を満たすだけの水分補給では、汗として失った水分を完全に補充できないこともあります。

運動をすると体温が上昇しますが、これは運動に必要なエネルギーを作るために代謝が進んで、熱が発生するからです。そのままでは体温は上昇し続けて運動を継続できなくなります。この事態から熱を逃すために重要な役割を担っているのが汗で、皮膚から蒸発するときには熱を一緒に奪っていくのです。

私達の体重の60~70%は水で構成されています。運動によって汗をかいたりすると、この一部が失われます。この過程を「脱水」といいます。気温が高いと汗の量も増えるために脱水になりやすく、場合によっては心拍出量が減少して循環虚脱の状態に陥ることがあります。つまり、疲労してボーッとした状態です。これを「熱疲労」といいます。

ただ、水は空気に比べ熱の伝導率がよく、水中では陸上に比べ25倍のスピードで熱が奪われますので夏の屋外でハードな練習をしない限りは熱疲労になることは少ないといえます。水中にいるならば、水泳によって発生した体の熱も冷めていきやすいのは確かです。

ただどうでしょう。水泳後、喉は渇きませんか?僕は結構渇きます。脳が渇きを認知するのは体中の水分が2%失われたときだそうです。運動時の動作能力は総水分量の1~2%失っただけでも低下し、 4%の水分を喪失すると運動能力は極端に低下します。

2%というとたいした量ではないように思いますが、体重65kgの人ならその70%の45,5㎏が水ということになり、その2%は0,91リットル。つまりのどの渇きを覚えた時点では、約1リットルの水分が失われていることになるのです。

という意味では、水泳後の水分摂取はもちろんのこと、泳ぐ前に水分をいくらかでも取っておいた方が良いのではないでしょうか。どのくらいの量をとればよいのかというのは、水分が胃の中を通過する時間や、腸管で吸収されるスピードも考慮しなければならず、また、運動の種類や強度、個人の体力によっても変わるために一概に決めるのは困難なのですが、一般的な運動では、運動スタートの20分~40分前に250ml~500mlぐらいで良いようです。

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