希少糖という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
最近では希少糖を含んでいることを示す、ピンク色のマークを付けたドリンクなども販売されていて、ご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思います。
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まだ希少糖のことをよくご存知ない方も多くいらっしゃるかと思いますので、どのようなものか、ご説明していきたいと思います。
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希少糖とは
「希少」という言葉は「数が少なくて珍しいこと」という意味を持ちますが、希少糖は自然界に存在量が少ない「希少」な存在であることから、そのまま「希少糖」と呼ばれています。
存在量は少ないのですが種類は何十種類もあって、「希少糖」というのはそれらの総称なのです。
キシリトールという糖は食品利用も多くされていますのでなじみ深いものではないかと思いますが、キシリトールも希少糖の一つです。
近年注目を集めているのは、これまで数が少なく取り出しが難しいとされていた希少糖を生産する酵素系が発見されたからです。
希少糖に少しでもご興味を持たれて調べられた方は、希少糖の情報発信が香川県から多くなされているのをご覧になったのではないかと思います。
これは希少糖を生産する酵素系を発見なさったのが、香川大学の何森(いずれもり)教授で、研究が盛んであるためです。
希少糖の効果
希少糖が注目を集めているのは、量が少ないからではありません。
私たちは植物から砂糖を抽出して長く利用してきましたので、甘さに飢えていたわけではありませんよね。
量が少ないにも関わらず希少糖を取り出したいのは、希少糖に多くの効果が期待されているからです。
たとえば、食後の血糖値の上昇を抑制する効果。
また、内臓脂肪の蓄積を抑える働き、動脈硬化や血圧上昇を抑制する作用、抗酸化作用などです。
いずれも現代人が頭を悩ませている生活習慣病の予防に役立ちそうな効果ばかりで、いずれかの悩みを抱えている方は決して少なくありません。
希少糖は、「甘いものが好きだけれど、このままでは生活習慣病になってしまう…」と悩んでいた人々の前に突如現れた、甘いものをガマンしなくても健康でいられるのでは?と思える希望の光だったのです。
希少糖と糖尿病の血糖値
数十種類ある希少糖のなかでも、シロップ状や粉末状の製品として発売されているのが「D-プシコース」という糖です。
天然のでんぷんから作られた甘味料で、甘味度は砂糖と比べてやや少ないのですが、エネルギーを持ちません。
香川大学の研究では、D-プシコースは膵臓のランゲルハンス島β細胞の変性や劣化を抑える作用を持つことがわかりました。
膵臓のランゲルハンス島β細胞とは、血糖値を下げる働きを持つホルモンであるインスリンを分泌する臓器です。
生活習慣病に分類される糖尿病は2型糖尿病ですが、2型糖尿病では膵臓ランゲルハンス島β細胞の機能低下によってインスリンがうまく分泌されずに血糖値が下がらないケースがあります。
このような点でD-プシコースは、糖尿病を予防する効果に期待が寄せられています。
D-プシコース100%の粉末状の糖を製品化している会社では特定保健用食品の申請もしている最中とのことですので、食後の血糖値上昇を抑制する効果について試験データがそろったものと思われます。
認可されればさらに私たちの口に入る機会が広がることでしょう。
希少糖はダイエットに効果があるのか?
ダイエット効果としてまず挙げられるのは、エネルギーの心配がありませんので、甘いものをガマンせずにダイエットにのぞめることです。
すでに研究が進められている食後の血糖値上昇を抑える作用では、過剰なインスリン分泌が抑えられることがうれしい効果です。
血糖値が急に上がれば、身体はできるだけ血糖値を元に戻そうとインスリンを分泌して急に下げるように働きます。
急に血糖値が下がっては、脳が「食事をしなくては」と認識してしまいますので、食欲が増してしまいます。
このような負の連鎖を起こさない点もダイエットに効果があると思われます。
まだ動物実験の段階のようですが、内臓脂肪をつきにくくする効果も研究が進められているようですので、これもダイエット効果に結び付いている可能性があります。
私たちが日頃口にしている糖の代表といえば砂糖ですが、砂糖はブドウ糖と果糖が結びついたものです。
希少糖はブドウ糖や果糖を吸収しにくくし、これらが過剰な場合に起こる中性脂肪の蓄積を抑えてくれるのです。
たんにエネルギーを控えて体重を落とすということにとどまらず、身体の機能を整えながら健康的に痩せるという理想的なダイエットが可能になります。
そのせいか、希少糖は「夢の糖」などと表現されることもあるのです。
希少糖の使い方
希少糖はシロップ状で売られている姿が、最も入手しやすい形ではないかと思います。
この場合、普段のお砂糖をそのまま希少糖シロップに置き換えて、簡単に取り入れることができます。
シロップ状の製品の場合、希少糖100%ではなく希少糖・果糖・ブドウ糖で構成をされています。
ですからエネルギーは砂糖の8~9割程度になりますが、希少糖に果糖やブドウ糖の吸収を抑制する効果があるため、砂糖からの置き換えは有効だと思われます。
また日頃食べなれているお砂糖の味わいと大きく異ならない点はかえって置き換えに向いている利点ではないかと思います。
甘味度は砂糖の90%程度と言いますから、違和感はあまりないのではないでしょうか。
加熱や冷却でも効能は変わらないそうです。利用の幅は広そうですね。
希少糖の摂り方
わざわざシロップ状のものを買い求めなくても、希少糖マークを付けた既製品からチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。
最近ではドリンクやお菓子へ利用されている製品も多く出そろってきました。
お菓子であれば砂糖以外にも小麦粉などに含まれている糖質もあるわけですが、希少糖と組み合わせることでこれらから供給されるブドウ糖の吸収も抑える効果も期待できるわけです。
市販のドリンクやお菓子からチャレンジしてみて違和感を覚えなければ、日頃のお砂糖を置き換えることも苦にならないかもしれません。
ちなみに、希少糖を含むことを示すロゴマークは管理者である「希少糖普及協会」というところへの申請によってつけられています。
「糖質甘味材中の20%程度以上を推奨」といった形で基準が設けられているようです。
実際の製品にどのような形で利用されているかについては、きちんと表示を確認しましょう。
希少糖 まとめ
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数年前に血糖値に関する講話をしていた際、「希少糖ってどうなんですか?」という質問を受けたことがありました。
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さすが興味を持ってお話を聞きに来てくださった方は、情報へのアンテナが高いなぁなどと思っていたら、あれよあれよという間にすっかり希少糖がメジャーな存在になって、とても驚いています。
ご自身の血糖値の上下を意識してお食事をすることは、健康管理にとても大切な考え方です。
希少糖はその手助けをしてくれるアイテムの一つですので、少しでも皆さんの理解が深まればうれしく思います。