「お菓子を食べ過ぎてはいけない」と知っている人は多くいますが、食べ過ぎてはいけない理由は何でしょうか。
食べ過ぎると太るから?
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確かに食べ過ぎは太ります。これはお菓子に限らず、どんなものでも食べ過ぎたら太ります。
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お菓子を食べると太るのって、やっぱり砂糖のせい?
確かに菓子類は全般的にエネルギー(カロリー)が高いものが多いので、太りやすいでしょう。
エネルギー(カロリー)が高い理由は砂糖が多いから?
砂糖も多く含まれますから無関係ではありませんが、エネルギー面だけで考えれば砂糖よりも影響力が大きいのは脂質ではないかと思われます。
糖質は1グラムあたり約4キロカロリーですが、これは砂糖だけに限らず糖質を含んでいる食品全般に言えることです。
脂質は1グラムあたり9キロカロリー。糖質の倍以上のエネルギーを供給します。
バターの香りとコクですっかりおいしく焼きあがったお菓子…砂糖だけが問題とは思えませんよね。お菓子と砂糖の関係で悩ましいのは、「一度食べるとやめられなくなる」ということかもしれません。
お菓子を食べるとそこに含まれる糖質はショ糖を中心とした、鎖の短い構造をしたものです。
※ショ糖とは?あとで説明がでてきます。今見る。
構造が単純であれば消化吸収が比較的簡単ですから、最小単位の単糖類に容易に分解され、吸収されたブドウ糖は血液に流れ込み血糖値を上げます。
一気に流入すれば、血糖値も短時間でグッと上がります。血糖値が一気に上がると、身体は血糖値をできるだけ早く元の状態まで戻そうとします。私たちの身体には「恒常性」が備わっているからです。
恒常性とは、できるだけ一定の状態を保とうとする性質です。血糖値もそうですが、体温や血液の酸性度などがあまり大きく変化しない方が、身体は負担なく良い状態を維持しやすいので、私たちはそもそもの性質として恒常性を有しています。
血糖値が一気に上がることはこの恒常性を乱すことになりますから、身体にも負担がかかります。恒常性を保つため、一気に上がった血糖値を一気に下げようと、身体が働きます。
一気に血糖値が下がるとどうなるか。身体にとっては大変危険な状態です。低血糖はひどい場合昏睡状態になり、命を落としかねません。つまり血糖値が低い状態は身体のピンチ。
脳に「食事を摂って血糖値を上げて」という指令が送られます。これはまたお菓子を食べたくなる指令です。
指令に従ってお菓子を食べると、また血糖値が一気に上がり、また一気に下がり、またお菓子を食べ…こんな風に一度食べると止まらなくなってしまうのは、皆さんが悪いのではなく身体の指令に素直に従った結果なのです。
このような食行動では血糖値が短時間で急上昇と急降下を繰り返し、身体はとても疲れてしまいます。
そしてもちろん食べ過ぎになってしまいますから、エネルギーはしっかり摂取しています。
「お菓子を食べ過ぎてはいけない」とは、このスパイラルに陥ることを警告しているのであって、お菓子に含まれる砂糖によって太ることだけを警告しているわけではないのです。
砂糖の種類と成分/グラニュー糖・上白糖・三温糖の違い
糖質を含んでいる食品といえば「糖」という文字から「砂糖」を真っ先に思い浮かべる人も多いハズ。
「砂糖」というのはくくってしまった総称で、実は種類がたくさんあります。
例えば「グラニュー糖」「上白糖」「三温糖」と、よくスーパーの売り場で見るものだけでもいくつかありますよね。
グラニュー糖や上白糖のような「白いお砂糖は身体に悪い」なんて言う人もいて、誤解を招く表現だなぁと私はいつも眉間にしわを寄せて聞いています。
白いということを「漂白」だと勘違いしておられる方も散見されますが、これは間違い。砂糖の結晶は本来無色透明です。これが光に反射して白く見えているだけで、精製純度の高い砂糖の結晶は無色なのです。
「グラニュー糖」「上白糖」「三温糖」はすべて二糖類であるショ糖を主成分とした糖質を多く含む食品であることに大差ありません。
※二糖類とは?あとで説明がでてきます。今見る。
糖質は1グラムあたり約4キロカロリーというエネルギーを持っています。
食品成分表を確認すると、グラニュー糖のエネルギーは387キロカロリー、上白糖は384キロカロリー、三温糖は382キロカロリー(いずれも100グラムあたりの値)。どれも同じようなものです。
それもそのはず。これらはどれも似たような工程を経て製造される砂糖だからです。
砂糖は主にサトウキビやてん菜という植物から抽出されます。糖汁を抽出して蜜を分離し、精製して結晶化させるという工程で作られていきます。この精製を経た純度が高い砂糖がグラニュー糖です。
上白糖も純度の高い砂糖ですが、グラニュー糖よりもしっとりしているという特徴があります。しっとりしている理由は、1パーセント程度の水分と「転化糖」を含んでいるから。
転化糖というのは、二糖類のショ糖を単糖の果糖とブドウ糖に分けたもので、これにより二糖類の状態よりも結合が不安定で、反応しやすくなります。
反応をしやすいというとイメージしにくいかもしれませんが、グラニュー糖と上白糖を比較すると、上白糖を使って作ったものの方が、焼き色が付きやすいといったようなことが起こります。
上白糖は日本ではよく使われる砂糖ですが、海外ではあまり使われていません。これは和食ですと煮物などにも砂糖を加えて、「甘いおかず」を作ることも珍しくないということに関係しています。
ご飯を食べながら相性の良い甘辛い味付けのものを楽しむというスタイルですよね。
和食と比較してフランス料理などでは料理を甘く仕上げることは少なく、甘いものは最後のデザートでたっぷりと食べるといった習慣があります。
上白糖とグラニュー糖を比較すると上白糖の方がコクのある甘みを感じやすく、お料理には向いているとされています。食事におけるメニューの考え方や特徴の違いによって、こっくりと甘いおかずを作る日本では上白糖が使われるのです。
グラニュー糖や上白糖に比べると純度がわずかに下がるのが三温糖。
三温糖は上白糖を抽出した後の糖汁をまた火にかけてさらに結晶を取り出すという作業を3回繰り返すという工程で得られる砂糖です。
三温糖にうっすら色がついているのも、熱が加わる工程が長いので糖が色づいたため。
ただし最近では「白い砂糖よりも茶色い砂糖の方が身体に良い」なんて誤解をしている人が多いので、わざと着色料を添加している三温糖まであります。
ところで茶色い砂糖が身体に良いなんてことは特にないのですが、このような説がなぜ出てきたのでしょうか。
おそらくここには「黒砂糖(黒糖)」が関係していると思われます。
黒砂糖はグラニュー糖や上白糖、三温糖とは根本的に違う砂糖で、「含蜜糖」という分類になります。蜜を含んでいるという名の通り、糖汁から蜜を分離しないで得る方法で作られる砂糖なのです。
これにより純度は低い代わりにミネラル類が複雑に作用して、蜜を分離して作るグラニュー糖や上白糖のような「分蜜糖」とは違った、複雑な味わいになります。
ミネラル類が豊富ということから栄養面でも期待して「身体に良い」などと言われるのではないかと思うのですが、砂糖からミネラル類を摂取するつもりで使用していたら、相当量使用することになってしまい、甘さも強すぎて現実的ではありません。
あくまでも「すっきりした味わいを求める場合はグラニュー糖が適している」「黒砂糖を使って複雑な味わいを楽しむ」程度の使い分けをするものです。
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