ウエストのサイズはメタボの1つの基準ではありますが、それだけではメタボにはならないんです。
簡単にお腹が出ている人のことをメタボと揶揄していますが、実際にはお腹が出ているからと言ってメタボであるとは限りません。例えば力士がメタボになるのかというとそんなことはありません。彼らはあの大きな体を動かす筋肉があるからです。
メタボの基準と、中年男性がメタボになる原因を探って行きます。
メタボの基準
メタボは国によって基準が定められています。
まずは腹囲が
- 男性の場合 85cm以上
- 女性の場合 90cm以上
であることを必須条件として、さらに
- 血圧 130/85 mmHg 以上
- 空腹時血糖 110mg/dL 以上
- 中性脂肪 150mg/dL以上 もしくは HDLコレステロール 40mg/dL 以上
この3つのうち2つ以上該当する場合にメタボリックシンドロームとして診断されます。
腹囲は手元にメジャーで1番お腹出ている部分を測定します。血圧は病院などで気軽に計測ができますね。ただ空腹時血糖や中性脂肪やHDLコレステロールについては血液検査が必要です。
会社の健康診断などでないとなかなか計測する機会はないかもしれません。
メタボになる原因
なぜ20代のころは同じ食生活をしていても、大丈夫だったのに30代や40代の中年男性がメタボになってしまうのか。その理由は1つではありません。
- 基礎代謝の低下
- 食事制限によるダイエット
- 糖質や脂質の摂りすぎ
- 運動不足
- 仕事内容の変化
- カロリー過多
などの原因があります。1つずつ細かくみていきましょう。
基礎代謝の低下
メタボの原因の1つ目は、基礎代謝が年齢と共に下がっていくことにあります。
基礎代謝というのは全く運動していなくても1日に消費するエネルギーのことで、これが高ければ高いほど太りにくい身体ということになります。
この基礎代謝は筋肉量や体温によって変わってくるのですが、日本人男性の1日の基礎代謝のピークは10代の後半で、その平均が1580kcalほどです。20代でもそれほど変わりません。
それが30代になると1500kcal程度になり40代では1400kcalにまで下がります。30代だと1500kcalなのでたったの80kcalしか変わらないように見えるかもしれません。しかし80kcalはたった1日の差です。1ヶ月30日間で2400kcal、1年で約30000kcalにもなります。
ちなみに脂肪は1kg増やすのに約6000kcalなので、1日80kcal基礎代謝が減るだけで年間で5kgも脂肪が増える計算。お腹に脂肪がついていくのも理解できると思います。
基礎代謝が年齢とともにさがっていく、それとともにどんどん太りやすくなっていくということです。
食べすぎ カロリー過多
2つ目の原因が、糖質や脂質の摂りすぎによるカロリー過多です。
これは外食が食事のメインになってしまう人に多いようです。
例えばラーメンや牛丼などでは、大盛りなどにすれば1食で1000kcal近くになることも少なくありません。そこにさらに炒飯をつける人もいます。美味しいですからね。お腹いっぱいになりたいですものね。わかります。
でも腹八分目とはよく言ったもので、お腹いっぱいになるまで食べて入ればメタボになって当然なんですよね。
基礎代謝のお話で30代の男性の基礎代謝は1500kcal程度と言いました。もし朝食がカロリーが多い菓子パンで、ランチでラーメン半チャンセットを食べれば1500kcalを超え、すでにカロリーオーバーです。夕食分のカロリーは毎日そのまま脂肪に変わります。
お腹いっぱい食べるのは幸せですが、実はそれではカロリーオーバー。特に外食は糖質と脂質が多いのでそうなりがちです。これもメタボの原因の1つです。
運動不足
3つ目の原因は運動不足です。
上記の食べ過ぎがあったとしてもしっかり運動をしていればそこまで太りません。身近な運動の1時間あたりのカロリーは(65kgの人が中程度の強度で行なった場合)
- ランニング 500kcal
- 水泳 600kcal
- ウォーキング 200kcal
ほどになります。週に1時間だけ運動するだけで、2ヶ月後には現状より1kg体重が減る計算になります。1年続ければ単純計算で6kg減です。
さらに運動を続けることによって、筋肉がつくので基礎代謝があがり太りにくくなる。
運動をしていなければ、どんどん基礎代謝が下がっていく一方なのでメタボまっしぐらですね。
食事制限によるダイエット
上記で食べすぎのカロリー過多が原因のひとつとしましたが、それと矛盾するかのような原因もあって、それは過度な食事制限によるダイエットです。
ダイエットがメタボの原因になるとは思いませんよね?
しかし意外にもこれが原因になっていることが見落とされがちです。運動をせず糖質制限や過度な食事制限だけでダイエットを成功した場合に特に多いのです。
これは基礎代謝が下がる・落ちるからです。
ダイエットをすることによって落ちるのは脂肪だけではなく、筋肉まで落ちていきます。筋肉量が減れば基礎代謝は落ちる。
基礎代謝が少しでも落ちてしまえば、太ってしまうのは上記の通りです。
基礎代謝が落ちた状態で元のダイエット前の食事量に戻してしまえば、ダイエット前より太ってしまうのは明らかですよね
それを防ぐには筋トレなどの運動も同時に行う必要があります。意外にもダイエットがメタボの原因にもなってしまうのです。
仕事内容など環境の変化
5つ目には仕事内容など環境の変化もあります。
例えばあなたが営業マンだとすれば、営業先への移動で歩き回ってカロリーを消費することもありますし、営業でなくても現場に出ているかどうかで仕事内容が代わり運動量もかわります。
特に出世してマネージメント側になった場合に一気に太ってしまう人は多いようで、今まで立って仕事していたのがデスクワークになればそれだけでも毎日の消費カロリーは変わります。
そして運動量が減ってもほとんどの人が食事量はかわりません。むしろストレスが増えて食事量が増えたり、給料が増えて美味しい食べ物が食べられるようになる人も。ストレスが増えても消費カロリーは増えませんので、メタボになっていく一方ですね。
仕事内容以外にも、クルマに乗る時間が増えたり、帰宅が駅から近くなって歩かなくなることもメタボの原因の1つです。
お腹が出ているからと言ってメタボとは限らない
メタボの原因は食べ過ぎや運動不足です。特に食べることを抑えるのは飲み会や付き合いなどで仕事上不可能な人もいるかと思います。だから少しでも運動を続けることで原因を取り除き、メタボになることを防ぐことができます。
大事なのは食事制限だけで痩せても、すぐに戻ってしまうということ。そしてさらにメタボになる可能性が上がってしまうことです。
お腹がでていてもしっかり運動していて、内臓脂肪や血圧や血糖値や中性脂肪の値が高くなければメタボにはあてはまりません。しっかりとメタボになりたくなければしっかりと運動するようにしましょう。