コレステロールと中性脂肪を減らす基礎知識

中性脂肪が高いとどうなる?数値が高い原因は?低いと病気?

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血液中の中性脂肪値が高い場合、その先にはさまざまな生活習慣病を引き起こすリスクが秘められています。あまり大きな異常となる前に、早めに対策を取ることが大切です。中性脂肪が高い状態とは、身体ではどのようなことが起こっているのか、状況を整理しておきましょう。

 

【中性脂肪が高い状態とは】

脂質異常症という病気には4つのパターンがあり、血液中のコレステロールと中性脂肪から判定されます。中性脂肪が高い状態は、空腹時に1デシリットルあたり150ミリグラム以上で「高トリグリセライド(中性脂肪)血症」と診断されます。(日本動脈硬化学会による脂質異常症の診断基準より)

脂質異常症にはほとんど自覚症状がありませんが、異常値を示す状態が長いままですと動脈硬化につながり、ひいては虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクを高めます。

また中性脂肪が高い状態では、脂肪肝や肥満になりやすいため、それらの疾患による病態も引き起ってしまいます。

 

【中性脂肪が高くなる原因】

脂肪肝とは肝臓に中性脂肪が蓄積している状態です。どうしてこのような状態になるのか、成因としては過栄養・アルコールによるもの・脂質異常症や肥満といった病気から来るもの、その他薬剤の影響によるものなどが挙げられます。

過栄養とはつまり、栄養の摂り過ぎということです。これは脂質に限りません。炭水化物の摂り過ぎは中性脂肪の蓄積につながります。お酒はあまり飲んでいないつもりの女性でも、パンやお菓子を食べる機会の多い場合には十分考えられる事態です。

男性の場合はアルコールの摂り過ぎに注意。加えて喫煙習慣のある方はさらに注意が必要です。タバコに含まれるニコチンには血液中の遊離脂肪酸を増やす働きが知られています。これが中性脂肪の材料となるのです。

もちろん遺伝による影響もありますし、ストレスによる自律神経の乱れなども要因として挙げられますが、まずは取り組みやすい食事の見直しから中性脂肪の上昇を食い止めるのが得策です。

 

【中性脂肪が低い場合】

中性脂肪の値の下限値をいくつとして「低中性脂肪血症」とするかという定義は特にありませんが、一般に健康診断では1デシリットルあたり30ミリグラムを下回る場合、中性脂肪値が低すぎると判定されています。

中性脂肪値が低すぎる場合には、それ自体で病名がつくというよりも、そのような事態を引き起こしている別の疾患が潜んでいる可能性が心配されます。特に甲状腺機能亢進症や肝硬変で、疾患事態の症状は無自覚であるのに中性脂肪値に低すぎる異常をきたす場合が見られます。そのため、単に中性脂肪を増やす取り組みをするのではなく、原因疾患の追求とその治療が優先されます。

特に女性のなかにはエネルギーを気にして脂質を極端に避ける方がいらっしゃいますが、このような栄養バランスの乱れにより栄養失調のような状態となることもあります。少なくとも下限値を下回らない程度の摂取をしなければ、身体の肌や細胞膜といった組織がもろくパサついたものになってしまいます。

 

【コレステロールとのバランス】

血中脂質の乱れた状態では、過栄養であれば相対的にエネルギーの摂り過ぎが見られ、余剰分が内臓脂肪として蓄積していきます。内臓脂肪の蓄積は中性脂肪過多の状態であり、さらに蓄積した内臓脂肪が悪さをすることによってLDLコレステロール値や総コレステロール値も高くなる傾向にあります。

これが、総コレステロール値やLDLコレステロール値は高いのに中性脂肪値は低いといった傾向にある場合には、食べ過ぎていないのにコレステロール値を上げやすい食品を偏って摂っているケースが考えられます。万が一極端に中性脂肪値のみ低いとなればエネルギー供給が適度に行われない可能性もあるので、あまり良い状態であるとは言えません。

反対に中性脂肪が高いのに、総コレステロール値やLDLコレステロール値が低い場合もあると思います。中性脂肪の蓄積はLDLコレステロール値を高め、HDLコレステロール値を下げてしまう傾向にあるのに、連動していないパターンです。これらもあまり極端な結果が複数回の血液検査で見られるようであれば、何か別の疾病要因によって代謝が乱れている可能性がありますので、自己判断で調整しようとせず、根本的な問題点を明らかにするように努めましょう。

血中脂質の状態は総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪と4項目を判定しますが、それぞれの値の連動を気にするよりも、それぞれの値に異常がないかをきちんと見ていきましょう。いずれも高すぎることも、低すぎることも良くないということがおわかりいただけたでしょうか。

 

【まとめ】

血中脂質の状態は血液検査をしないと知ることができません。自覚症状がありませんので、結果を見るまで良い状態なのか、悪い状態なのかわからない…と言っても、実は心当たりがあるという方も少なくないのではないかと思います。

そういえば甘い物が好きだし食べ過ぎている、そういえばお酒の量はたくさん飲んでいる自覚がある、そういえばタバコが手放せないなど、結果を見るまでドキドキするのにはそれなりの理由があるはずです。1回食べ過ぎたから、1回飲み過ぎたからと言ってすぐに悪くなるものではありませんので、少しずつ改善を積み重ねていくことが確実に結果を出してくれますよ。

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